韓国の知性、新しい時代を語る

韓国の知性、新しい時代を語る第3回


            主要な政策決定者の中にも北朝鮮崩壊論者がいる

           ―朝鮮半島平和フォーラム創立1周年、出版記念会を開く―                  
 『プレシアン』2010年10月23日から
 韓国を代表する知性、白 楽晴氏の論考をはじめとする韓国の新しい時代を語る論稿を紹介するこのページに、白 楽晴氏との仲介と原稿の翻訳を担当してくださっている青柳純一氏から「主要な政策決定者の中にも北朝鮮崩壊論者がいる」が届きました。

 今回は白 楽晴氏ご自身の論稿ではなく、白氏をはじめとする「朝鮮半島平和フォーラム」の最新の動きを伝える『プレシアン』掲載の記事です。

 本編の「解題」として同じく『プレシアン』の、朝鮮半島平和フォーラム創立1周年出版記念会開催の「予告記事」をまず掲載します。


 朝鮮半島平和フォーラムの創立1周年にあたり『プレシアン』2010年10月20日から)


 朝鮮半島平和フォーラムが来る10月22日、『再び、朝鮮半島の道を問う』の出版記念会を開く。

 朝鮮半島平和フォーラムとは、北朝鮮に対する包容政策を推進、支持してきた元官僚、学者、社会団体関係者などの専門家が集まり、南北関係と朝鮮半島の平和への道を模索するために、昨年創立した団体である。

 去る9月7日に創立1周年を迎えたこの団体は、最近「フォーラムを社団法人へと転換し、本格的な活動を展開しようと思う」と表明した。

 朝鮮半島平和フォーラムが1周年を迎えて企画した『再び、朝鮮半島の道を問う』は今月20日に出版されるが、これはフォーラムの理事長である白楽晴6・15共同宣言実践南側委員会名誉代表と林東源元統一相など、36名が共同で執筆した本である。

 同書は序文で、「道は途絶え、対話は消え、交流は難しくなるなど、心をこめて積み上げた希望と平和の塔が一瞬にして崩れた」と述べ、「いま再び道を問う。朝鮮半島はどこへ進むべきなのか?」という問いを投じている。「各界の専門家が経験を踏まえ、意見を交換しながら朝鮮半島の未来を模索しようとした」というのが、同書発刊の趣旨である。

 出版記念会は、来る22日(金)午後5時から延世大学同窓会館で開かれる予定である。


 この記事で以下の本編で語られる内容の今日的位置づけと重要性がおわかりいただけると思います。

 この「予告記事」にあるように、出版記念会は10月22日(金)、ソウル・新村にある延世大学同窓会館で盛会裏に開催されました。

 白 楽晴氏をはじめ元統一相、林 東源氏らの取り組みに敬意を表するとともに、翻訳を担当してくださった青柳純一氏に感謝申し上げます。

 

主要な政策決定者の中にも北朝鮮崩壊論者がいる
朝鮮半島平和フォーラム創立1周年、出版記念会を開く
 南北の和解・協力と平和定着を支持する元官僚、専門家、社会団体の代表などが集まって結成した朝鮮半島平和フォーラムが創立1周年を迎えた。22日、朝鮮半島平和フォーラムは1周年を記念して発刊した『再び、朝鮮半島の道を問う』の出版記念会を開き、新たなる出発を確認した。

 この日の午後、延世大学同窓会館で開かれた行事には、金大中平和センターの李姫鎬理事長と孫鶴圭民主党代表をはじめ李ヘチャン元総理、李在禎国民参与党代表など、北朝鮮に対する和解政策を主張する人々が総結集した。ハンナラ党からも元喜龍事務総長が参席し、李明博政権で最初の統一相だった金河中氏も姿を見せた。

 記念会に参席した人々は、金大中、ノ・ムヒョン政権の10年間に推進してきた対北政策を否定し、対話を断絶した李明博政権の政策に対して声をそろえて批判し、転換期を迎えた東北アジアにおける韓国の位相が墜落する現状況を憂慮した。

 「朝鮮半島平和フォーラム」の林東源理事長は記念辞で、「李明博政権になってまさかそこまでやるか、と思ったことが現実になった」と述べ、「全同胞の汗と誠意で築いた和解と交流・協力の努力の結晶が壊れて平和統一の道が塞がれた」という所感を表明した。

 林理事長は、「このままいけば北を失ってしまうこともある」と述べ、「それは南北関係も、統一の未来も、朝鮮半島の平和もすべて失うこともありうるという意味」だと語った。彼は「東北アジアの状況が急速に変化しているために、手遅れになる前に最悪の状況を防がねばならない」と述べ、「今までの考え方や尺度では、これ以上未来を正しく設計することは難しくなった」と強調した。

 白楽晴理事長は“天安”艦事件の真相究明を強調した。彼は、「最近の情勢悪化をもたらした契機は、何といっても“天安”艦事件」であり、「理念ではなしに、科学と常識にそった真実に立脚した解決をしないで南北関係と国内問題に対応するならば、本当に重要な問題に蓋をしたままでひんしゅくを買うばかりだろう」と語った。

 白理事長は、「“天安”艦事件に対する政府の発表が極めて無理な手法だったのは明らかだ」とし、「“天安”艦事件によってノ・テウ政権から続いた南北和解の努力を反転させようとした政府の試みは、地方選挙における国民の力でひとまず鋭鋒が削がれた」と語った。

 孫鶴圭民主党代表は、「政府は“非核・開放3000”を語りながら、核兵器をなくせという条件を押しつけ、今度は“天安”艦事件に対して謝罪しろというなど、絶えず条件をつけて平和への道を妨げている」と述べ、李明博政権の政策は「条件ばかりが先立つ」非現実的な政策だと語った。

 孫代表はまた、「太陽政策はできもしない条件を押し付けるより、できる道をまず選び、悪条件は後で解決しようという精神だった」とし、「李明博政権は北朝鮮の住民が飢えて人権が蹂躙されるなら、“改善しろ”という条件をつけずに、どうすれば北の住民が食べていけるか、人間的な生活を営む条件を作れるかを考えて行動しなければならない」と強調した。

 李ヘチャン元総理は、「李明博政権の対北政策は、クーデタを起こしたノ・テウ政権の対北政策よりはるかに後退した」と強く批判した。李元総理は「転換期をどのように迎えるかによって運命が変わる」と述べ、「李政権は冷戦のパラダイム変化と中国によるパワーシフトを全く認識できずにいる」と指摘した。

 元喜龍ハンナラ党事務総長は挨拶の中で、「北朝鮮を封鎖して崩壊させるとか、崩壊を待とうと封鎖したまま放置しようと考える人々が、かなり重要な政策決定者の位置についているようだ」と述べ、注目された。

 元事務総長は、「しかし、(崩壊のための封鎖は)長期的にみれば望ましくもないし、中国ゆえに現実性もなく、崩壊するとしてもこちらの望み通りになる保障もない。反対に進むこともある」と語った。

 彼は、「結局、共存の中で接触を通じた経験、認識の変化、協力と小さな統一が積み上げられて、互いに望ましい変化を作り出すことができる未来志向的な共存ができるようにすべきである」と強調した。

 さらに彼は、「包容政策と平和・繁栄政策を立案した方々を、わざわざ北の肩を持つ節操のない一部のグループと同一視するのは、極めて意図的な誹謗」だと述べ、「彼らは尊重されるべきであり、ともに討論し、経験を蓄積させて発展させるべき民族の資産」であると語った。

 特に彼は、「条件付きで出した“非核・開放3000”政策は、条件付きでは続けられないという内部的な共鳴者がいると思われる」と述べ、「“天安”艦事件が北の仕業というのが政府の立場であり、結論であるが、それに対する怒りを表わす期間はほぼ終わりにきていると思う」と語った。